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syako
食事に重きを置いている食いしん坊会社員。
好きなことは「アート」「旅行」「ゲーム」。
何気ない日常を綴っています。

大好きな父が亡くなった日のこと

父が亡くなった日のこと、今もよく覚えています。

目次

悲しみか安堵か

まだ寒い3月の月曜日の朝。

天気はどんよりした曇り空。

夜中の2時頃に何故か目を覚ましたせいで、いつもより少し眠い。

スマホのホーム画面を見てみると、母と弟からの着信とLINEが沢山きている。

ドクンと嫌な予感がして、母からのLINEを開いてみる。

「パパが亡くなりました」

そのメッセージを見た瞬間、真っ先に浮かんだものは悲しみではなく、「ああ、逝ってしまったしまったんだね」というなんとも言えない気持ち。

父が大好きな私、もっと泣いて取り乱すと思っていましたが、不思議と冷静でした。

悲しみももちろん大きかったのですが、正直、父の死を知った瞬間は安堵感や納得感の方が大きかったのだと思います。

「やっとパパが苦しみから解放された」と。

亡くなる二日前まで帰省していたのに、このタイミングかあ・・・と少し悔しく思いながら実家に帰る支度を始めました。

凪いだ心と静かに流れる涙

母に電話をし、実家に帰るためにバスの席を確保し、会社に休む旨を伝え、最低限の荷物を持って家を出ました。

バスに乗って、ぼーっと窓の外の流れる景色に目を向ける。

ツーっと私の意思に反して流れ出す涙。

止まらない、止まらない。

最初は涙を拭っていましたが、どうにもこうにも止まらないので、ハンカチを目元にあてて放っておきました。

そこから一人、父との思い出に浸って数時間の乗車時間を過ごしました。

父らしくない

バス停に到着し、母の運転する車で父のもとへ。

「ただいま」と言い、家に入ると、窓を開け放っているようでひんやりとした風が通っている。

部屋の真ん中に敷かれた布団で静かに、お行儀よく寝ているように見える父。

冷たい風がカーテンをひらひらと舞わせている寒い室内。

寒がりな父が、寒い部屋で、なんともらしくない寝相で横になっている。

いつもシワがぎゅっと寄っている眉間にはシワがなく、穏やかな表情。

「間に合わなくてごめんね」

父の頬に触れると、氷のように冷たい。

記憶にある父のむくもりとかけ離れた肌の温度。

現実味のなかった「父の死」を一気に認識させられ、そこでやっと声を出して泣けました。

父からのお別れの挨拶

母と弟から父の最期について話を聞きました。

容体が急変したのは夜中。

弟が家におり、すぐに救急車を呼んで病院で処置をしてもらったけれど助けられず。

不幸中の幸いとでもいうのか、私は家族が看取ってくれた事実に安堵しました。

両親が離婚した時から私が抱えていた心配ごとの一つに、「父が誰にも看取られず死んでしまったらどうしよう」というものがありました。

でも、弟と母が最期はそばにいてくれた。

私も父と最期の時間を共にできたらと切に思いましたが、孤独の中で息を引き取らなかったのならそれで十分と思うことで自分を納得させました。

父が亡くなった時間と、私が夜中ふと目を覚ました時間が同じくらいだと母に伝えると、「パパがお別れの挨拶に行ったんだね」と言われました。

スピリチュアルな話が得意ではありませんが、そうだと良いなと素直に思いました。

父が最後に教えてくれたこと

身近にいた大切な父が亡くなったことで「人はいつか必ず死ぬ」ということを本当の意味で知りました。

死ぬ時も死に方も選べない。

突如終わりを迎える人生。

闘病生活が始まってからずっと覚悟していた父の死。

終わりがうっすらと見えていたからこそ大事にしようと思った、限られた時間。

もっと長い生きしてほしかったけれど、父のことでやれることはやったと思っています。

でも、父だけじゃない。

私にも、母にも、夫にも、いつか平等に死が訪れる。

過去でも未来でもなく、今をどう生きるか。

父の死は、「今をどう生きるか」を見つめ直す大きなきっかけとなりました。

限りある時間の大切さを教えてくれた父に感謝を。

それでは良い一日をお過ごしくださいませ。

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この記事を書いた人

日本人の父とハーフの母を持つ、食いしん坊会社員。

ファッションより食事に重きを置いています。好きなことは「食べること」「好きな音楽を聴く」「アート」「旅行」「読書」です。

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