本の概要
- 書名:産まないことは「逃げ」ですか?
- 著者:吉田潮
- 出版:ベストセラーズ
価格:1320円 |
この本を読んだ理由
・子どものいない女性たちの思いや体験談を知りたかった
・結婚して9年、子どもが欲しいと思っていたけれど、最近になって「このまま夫婦二人でも十分に幸せ」と思うようになり、不妊治療を続けるか、今のまま夫婦で人生を送るか悩んでいる
読んでみての感想
単刀直入にズバズバっと表現されていて勢いのある文章でした。フランクかつユニークな文章で読み進めていくことが楽しかったです。ところどころ下ネタ的要素もありますが、個人的にはクスッと笑えて読んでいて楽しかったです。
著者の不妊治療の経験について詳細に書かれていました。全てではないにしろ、私も不妊治療の経験があるので、共感しつつ少し胸が苦しくなりました。期待しては絶望しての繰り返しになんともいえない気持ちになるのは私だけではない。
今の義務教育の学習範囲がどうなのか理解していませんが、妊娠・出産に加え不妊治療についても最低限知識として知る機会があってもいいんじゃないかと読みながら思いました。知らなくて後悔する人を増やさないためにも。
ハタと気づく。本当に子供が欲しくて不妊治療をやったのか。純粋な動機とは言えないまでも、子供が欲しかったのは事実だ。でも、どこかで言い訳のように利用している自分がいる。結婚していても子供がいないのは、産まなかったからではなく産めなかった、と言いたいだけなのではないか。
産まないことは「逃げ」ですか?/吉田潮/出版:ベストセラーズ
私自身もそう思うことがあります。だから他の女性の気持ちを知りたいと思って本を色々と読んでいます。これがどういう感情かよくわからないから。
吉田さんが言うように、不妊治療体験についての情報は「最終的に良い結果に終わりました」というポジティブなものが多い気がしますが、ネガティブな面にスポットライトを当てることも大事だと感じています。私自身、不妊についての悩みを抱えているので、色々なものの見方・シチュエーションをイメージできる情報は本当にありがたいですし参考になります。そして救われます。不妊治療について相談できるような存在はなかなか周りにいないので。
様々な人が登場します。「そんな人がいるのか!」と驚きも多かったのですが「世の中にはいろんな人がいるんだな」と純粋に興味深かったです。著者のお母さんの発言がツボでした。他にもどんなエピソードがあるのか気になるところです。
購入するときは重たい内容かなと思っていたのですが、こんなに笑って良いのかと思ってしまうくらいに面白い本でした。ポジティブに読めるからこそ、著者の言葉がスッと抵抗なく入ってきたように思います。悩んでいる女性以外の(下ネタ苦手じゃない)方にもおすすめしたい本です。
読み終えて少し肩の荷が降りた感覚がありました。産まない女性、産めなかった女性、産んだ女性。様々な立場の女性の思いを知れて良かったです。私の考え方に広がりを与えてくれた一冊だったと思います。
とても楽しい時間を分けてくれた吉田さんに感謝を。
それでは良い一日をお過ごしくださいませ。
価格:1320円 |
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