何が欲しい?
「誕生日、何が欲しい?」
私の誕生日前に母から問いかけられました。これと言って欲しいものが思いつかなかったので「何もいらないよー」と返答。子供の頃の私なら、ゲームだのおもちゃだの、ここぞとばかりに色々とリクエストしたことでしょう。
今はどちらかといえば「母に何かして欲しい」ではなく「母のために何かしたい」という気持ちの方が大きいです。
いらないとは言ったものの、母の質問を受けたあと数日間、母から貰いたいものについて考えてみました。
「欲しいもの・・・欲しいもの・・・母じゃないと用意できないもの・・・」
数日考え、母からしか貰えないものが欲しいなと思い、母直筆のメッセージカードをリクエスト。ハッピーバースデーの一言でもなんでも良いから、直筆でお願いしますと。
前言撤回した私のリクエストに、母は明るく「OK!」と返してくれました。
ないものねだりの執着
親の離婚や転校を多く経験して大切な人と多くの時間を過ごせなかった私は、他の人より思い出に対して執着する面があります。そんな私は今回リクエストした母からの直筆のメッセージカードを、母との思い出として手元に残しておきたいと思いました。
父が亡くなったとき、記憶に残る時間という思い出だけではなく、写真や動画などの物質的なカタチとしてもっと残しておけばよかったと思ったことも大きいです。
お金を使えば手に入れられるようなものではなく、母にしか私に与えられないもの。それは私にとっては何よりも価値のあるものです。
ポストに届けられた贈り物
誕生日当日、仕事から帰ってきて、ポストを開けてみると、母からの手紙が。
自分から頼んだものとはいえ、誰かが自分宛に書いてくれた手紙が届く。その事実だけでとても幸せな気持ちになりました。
大きな封筒を開けてみると、手紙と、ガーゼハンカチが2枚。ハンカチには、私が好きなモチーフの刺繍が入っており、母のちょっとしたサプライズにさらに幸せプラス1。
母からの手紙には、嬉しかったこと、これからのこと、最後に私への気持ちが記されていました。短い手紙でしたが、とても幸せになる贈り物となりました。やはり手紙をもらうのは嬉しいものです。
最後は英語でメッセージが綴られており、その中には「愛している」と「気をつけて」という、母からよくかけてもらう言葉が。
昔の私は「I love you」なんて言葉を、よく恥ずかしげもなく言えるよと、少し恥ずかしく思っていました。だけど、今も変わらず愛を伝えてくれる母がいることで安心感を覚える自分もいます。歳を重ね、色々な人と関わる中で、必ずしも相手が自分を肯定してくれるわけではないことを身をもって知りました。でも、母が「愛している」と一言言ってくれるだけで、自分を認めてくれる人がいるという安心感を得ることができます。
手紙をもらってそんなことを思った、ある年の誕生日。
それでは良い一日をお過ごしください。
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